§ ────それで。 ────それで、どうなったんだっけ。 　波打ち際で俺は、なぜ青空を仰いでいるんだ？　海藻まみれでびしょ濡れの体を横たえて、なぜ俺は呆然としている？ 　たしか...

§ 　友好的な上位種のもとに、半年間。 　そう決めたのは自分のため、キャリアのためなはずだった。 　世界の裏側に隠れていた、聡明な妖精たちが姿を現し、まだ日は浅い。今滞在すれば、貴重な経験...

§ 　悪くない提案だと思った。 　独り身、趣味なし、気力なし。おまけに家に籠りきりだから、ペットでも飼えと言われたのだ。 　確かに悪くはないと言った。元気が出る、可愛い奴がいいとも言った。 　...

§ 　友好的な上位種のもとに、半年間。 　そう決めたのは自分のため、キャリアのためなはずだった。 　世界の裏側に隠れていた、聡明な妖精たちが姿を現し、まだ日は浅い。今滞在すれば、貴重な経験...

ケットシーを飼うことにした。 　捨てられていたのだ。 「でも、どうしようたものかな……」 　道端、ダンボールに入って縮こまっているのを見て、どうにも立ち去れず今に至る。ケットシーなんて飼っ...