自由の都の聖なる夜 　西風大聖堂から祈りの声が聞こえてきていた。 　なんでもない寒い日の夜――というのは旅人にとっての認識であり、教会では今日はなんらかの儀式か祭典の日らしい。 ...

『私にご奉仕、させてもらえませんか？』 「っ……！？」 　そして、耳元で甘く囁かれれば、彼に断る理由はなかった。 「ふふっ、いいんですね？」 「うん……別にお詫びをしてほしい訳じゃないけ...

「ラフィーさん。僕、君のことが好き、だよ」 「私もですよ。――君」 「うんっ…………」 　彼は一瞬、ためらって。しかし、ラフィエルも嬉しそうに頷いてくれたことで自信を持って、彼女を抱きしめ...

いとこという関係 「あれ、ヨモさん、南さん、どうしたんす、か……？」 　ある日のこと。今日も蓬たちはダイナゼノンの操縦訓練をしていた。 　蓬と夢芽が休憩に立ってから、帰りが遅い...

「それでは、何か不都合がございましたら、いつでもお伝えくださいね」 「はい、ありがとうございます」 　穏やかで優しそうな年老いた女将が、とても丁寧な礼をして、部屋を出ていった。 　この旅館...