カルデアは、現在確認されている組織の中で、もっとも、リソースを蓄えていると言っても、過言ではない。 ……と、言うのは、ブラックジョークといったものだ。 何せ、人理が消え去った今。表だって...

「はぁ……」 小さくおなかの音が鳴る。 最近は碌に食べていない。 「どうしたんですか？あかりちゃん」 「あー、ゆかりさん、聞いてくださいよ……。ちょっとお腹すいちゃって」 ...

こにあるのは、豪奢な社であった。 壁面や、柱、その細部に至るまで、爬虫類。正確には蜥蜴をかたどった黄金と赤で彩られた、竜の城。 その、王室にいるのは、傅く尾の無い狐の女。 その姿は、この社...

「ふぅ、いよいよ来週かな？」 無数の世界の閲覧を終えた後、一人、ゆっくりと息をつく。 ボクの成長段階を進める日取りが、一週間後に迫っていた。 必ず決められた日取りでやる必要もな...

「ねぇ、始めないんですか？」 嘲笑を含んだ、少女の笑いが、惑星を包み込む。 全人類は、当の昔に、彼女が出現したと同時にこれが、彼女の遊びであると、理解していた。 だが、それを拒...

こぽり。 気泡が、とある数メートルのガラス管。その中の生命が、活動をしていることを示すように、口元からわずかに漏れて、浮き上がる。 ここは、様々な理由で表では、研究できなくなった人間たち...

自然界の種族間の差というものは、基本、絶対的である。 その場その場の状態で、有利不利が変わることはあれど、大まかな枠組みが大きく動くことは基本的にはない。 そして、それは。 剣と魔法の...

縮小病。 その発生はまさに突発的なものであった。 何かのウイルスの変異種か、あるいは、どこかの軍が作った、バイオテロか。 多くの説が流れたが、今やその真相は、科学者や、誰を持っても...

バレンタインデー。 それは、とある惑星で発祥したとある文化。 元は聖人の生誕祭、あるいは処刑の日だっただろうか。 だが、今日で、誰もが知っているのは、大切な人への贈り物をする日。 ...

悪の組織、ディーソムスラケテール。 その女幹部の一人、銀髪メイドのレイベルは、街並みを見下ろしていた。 「ふぅ、今日も、ご主人様のために、たくさん、働きました。そんな私の疲れ、社会人の皆...

グランサイファー。 蒼き空の世界を行く、騎空団。その空挺の一つだ。 その船の中、二人の少女が、唸るように、声をくぐもらせ、眉をひそめていた。 「フアン、どうしよう」 「どうしよう、っていっ...

その日、彼女。 駆逐艦響は、不機嫌であった。 とある鎮守府の秘書官兼、嫁艦。いわゆる指輪を送られた彼女は、普段は多忙である。鎮守府内の様々な業務の補佐を行い、出撃し、資材の管理をする。鎮守府内...

「はぁ･･････はぁ･･････」 とある場所、一人、息を荒げながら、座り込んでいる、少女が一人。 少女は、魔王軍･･･････の、一般人街に暮らすうちの一人であった。 彼女は、元の世界に...

「･･････意外と、簡単にこれたなぁ」 とある、海沿いの街。 日本から、遠く離れたその場所に、一人の少女が、紛れ込んでいた。 彼女は吹雪。 日本の、海軍のとある港に所属する艦娘だ。 普段...

「ふふ･･････ぁーあ、ついに持ち帰っちゃった」 ここは、自室。 私の本当の自室。 ずっと窮屈だった。 でも、でも、ずっと堪えてたんだ。 大好きだった。とっても、大事だった。 だから、も...

「むむむむ･･･････」 とある小学校。 そこで、一人の少女が、身体測定の結果と、にらめっこをしていた。 身長、138cm。 女子の成長期は、振れ幅が大きく、彼女、10歳の年齢からしてみれ...

人理保証機関。 ノウムカルデア。 妖精郷での、戦いを終え、私たちは、しばし、休息と相成った。 とはいえ、やることは多い。 カルデアで、ただ飯を食らう余裕はない。 レイシフトによる資材集め。 ...

軍、という、団体がある。 大抵の場合、訓練された戦闘集団の事を指すこの団体ではあるが、それは、歴史において、様々な形をとるものだ。 国というものが、成立して以降、常に存在する、国有の戦力。 あ...

日常というものは、とても大事なものだ。 今、かみしめている平穏というのは、何時崩壊するかなど、誰にも分からない。 例えば、面倒だと思っている通勤、家族との会話。何気ない買い物。 あるいは、もっと...

商店街の、とある路地裏。 そこに俺の目当ての店があった。 財布には、この日のために溜めた、三十万。 買うものの用途を考えれば、ためらわれるほどの金額を持ちながら、俺は、その店の中に入っていく...