夏目縮小亭 (夏目なつめ)

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夏目縮小亭 (夏目なつめ)の投稿

夏目縮小亭 (夏目なつめ)の投稿一覧です。「秘湯に湯ノ花、霊泉に媚」「好きの形に色を添えて」など、158件の記事が投稿されています。

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秘湯に湯ノ花、霊泉に媚

§ 「こちら山で取れました蕨、ぜんまい、こごみの天ぷら、ご一緒に塩と出汁で……」  軽やかな声。  膳に並べられていく、山料理。  鍋を、大皿を、折れてしまいそうな細腕がテキパキとそろえていく。...
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好きの形に色を添えて

§ 「なぁ、梨奈」  暖かいものに包まれたまま、俺は呻くように言った。 「ん~?」 それに呼応して、もぞりと動く暖かさ、柔らかさ。それは母親の胎のように安寧で、微熱立ち上る特上のソファのよう。確...
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さかさまらてあーと

§  不規則なグラフとにらめっこしていた。  そんな折のことだった。 「ねえご主人、ご飯まだなんだけど」  聞こえてきたのは、足元から湧くふてぶてしい声。  けれど、声の主の姿が見えな...
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仰げば遠く狂おしく

§  教室にミスはつきもの。   「じゃあ……、5番の子?」 「はい、ママ。……あっ」  よくある言い間違いに学友たちも笑う。赤面すれば更に笑われる。当然だ。高校生にもなってこれは恥ずかしい。し...
24

新作遅刻のお知らせ

お世話になっております。夏目なつめです。 今月コロナの影響への対策等で時間が押してしまい、本日までに新作の投稿することができなくなってしまいました。 つきましては、月を跨いでしまうため不都合...
2

ラブミーラフリー

§  家族が出来た。  飛び切りの美少女で、高身長の白人娘。  義妹だった。 「Nice to meet you!」 そう言って手を差しだした、その姿を今なお鮮明に覚えている。...
53

さかさまらてあーと2

§  ご主人大好き犬耳ペット。  そんな2人と立場が入れ替わったとき。  その途方もない巨体を、俺に受け止められるはずもなかった。 「ルナ、熱い……」 「……♡」  ソファでギュ...
30

巨〇〇の一日オーバーラン

§  玄関を開けた瞬間、とびきりの美少女に飛びつかれた。  寮暮らしの男子高生、無論美女に知り合いなどいない。 「おわっ!?」 「おかえりなさいユキにぃ!」  白ワンピースの体を受け止めながら、...
29

鹿島の背反都市蹂躙作戦

海に、一筋、一隻の漁船が航跡を伸ばしていた。  それは、本来禁漁区のこの海域に忍び込んだ、不逞の漁師の船だった。大漁を見込み、街随一の大船舶、その大きさは並みの漁船の数倍はくだらない。  そ...
23

鈴谷は止まることなく

§  鎮守府、廊下を走る〇〇の歓声。 「ゴーゴーゴー!!」  けたたましい声の主は佐渡であり、 「ごー」  追うのは対馬であり、 「わああああ!!?」  佐渡に肩車された、私の悲鳴だった。 ...
16

淫蕩の令嬢(下)

§  メイドたち、僕以外のすべての人間は、脅威そのものだった。  最も小さなメイドだって、僕をまるごと踏み潰せる巨大さなのだ。まして中級メイドは手のひらに僕を乗せられて、最上種に至っては足指でさ...
20

涼月に溺れて

「あの……、本当によろしいんですか?」 「……訊かないでくれ」  ソファに横になる涼月に、俺は呻くように言った。 「そうですか……」  そう言いながら、涼月はソファに身を預け、長い脚を横...
8

浜波に足跡

黄色い歓声が走り抜けた。  夕雲型の、パーティだとの由。  だが、それがなにか。 「おい」  聞いても。 「なあったら!」  答えがない。  おしゃべりに講じつつ廊下を歩く少女たち。  し...
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健やかなる時も、病める時も

式は終わった。  俺はもう既婚者だ。 「何見てるのかな?」  立ち尽くしチャペルの十字架を仰ぎ見る、そんな俺の背筋をなにかが這い上がった。  タキシードの背を這う、繊細な指使い、...
30

上位種姉妹の愛されペット

§  友好的な上位種のもとに、半年間。  そう決めたのは自分のため、キャリアのためなはずだった。  世界の裏側に隠れていた、聡明な妖精たちが姿を現し、まだ日は浅い。今滞在すれば、貴重な経験...
30

幸せなりし人の街

§  美しい、あまりに美しい少女が微笑んでいた。  亜麻色の髪はほろほろと、白い頬は朱を差して、現実離れした美少女の顔。  慈愛の表情は絵画のごとく、けれど、たしかにそこにいる、その感覚だ...
12

村雨改二にうってつけの日

§  蠱惑に妖婉さが加わったといった感じだった。  男であるのを恨んだほどだ。でなければ、これほどまでに懊悩しなかったろう。  村雨が改二になって以来の、私の動揺といったらなかった。密...
14

圧壊都市

つまんない、と彼女は言い切った。  平野部、無窮とも見える街を指してのことだ。 「何もないわ。なんにもない。だだっ広いだけの場所よ」  山の展望台、吐き捨てるように言う紗矢に苦笑する。文字...
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放課後の先生は

僕の学校には紳士がいる。  女の人だけれど。  紳士先生なんて呼ばれているけど、男女ともにファンが多いのは綺麗な人だからだ。サラサラ長い黒髪、キリッとスーツを着て切れ長の目。凛とハスキー...
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僕を虫と呼ばないで

§    僕らは逢瀬を、時に森で行った。  村を抜けて深い深い森の奥、小さな影を寄り添わせるのだ。 「結構遠くまで来たね」  石を蹴りながらミンが呟く。 「丘を越えたの、初めてだ...
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