



価格
0円(税込)
商品について
魔的他種族との交易の歴史は、太古からあった。なんかよくわからん隣人という存在である。
人類に敵対的、攻撃的な種族もあれば、比較的協力的な種族もあった。そんな中で人類は農地を城壁で巡らせた城塞を造り、これを村とし、増築して都市とし、各地に城を造って国とした。
戦いの最前線で集団を統率し、死地を切り拓く者。これが後に王家となった。王家・貴族は政治と権力闘争のなかで栄枯盛衰し、王朝は何度も入れ替わったが、念力能力的に強者であるという血はずっと受け継がれ、精錬されていった。
人類の歴史の発展は、他種族を圧迫するものでもあった。工業技術の発達は農地の拡大を可能にし、人類はさらに栄える。
膨張する人類族への反発が、人類絶滅戦争へのトリガーを引いたのだ。
人類側の政治的ケアや融和策など出来なかったのか、という考え方は、人類中心的かつ人類覇権的であり、極めて高圧的な態度である。
そもそもの問題は農地であり、農地の拡大である。作物に値段をつけて売る、買えないものはそれを手にする資格がない。こうしたルールを魔的他種族に共有させる。これが膨張する人類族というものだ。
人類を根絶やしにしなければ、我々の領域(文化的思考様式も含む)が人類のものになる・・・
しかし問題は、人類側とて全く同様に考えていた事だ。
人間でないモノに囲まれて、どうやって人間である事を保つのか。その回答が城と膨張なのだった。
結果として人類連合軍は、敵対してきた魔的他種族の全てを絶滅させ、その土地を全て我が物とした。大陸の約半分が、全て人類の領域となった。
その頃、土地証券市場では、すでに大陸全土が区画割りされ、それぞれに値段がつき巨額の先物取引がされていた。
人類連合軍が勝利する度に土地証券の値段が上がる。皆が欲しがるからだ。その証券で銀行から借金が出来る。引き出した金をビシネスに突っ込む。ビシネスに成功すれば会社の価値が上がり、さらに高価な土地証券が買える。
戦争前は魔的他種族に遠慮して出来なかったことが、今は出来る。道路を通し、農地なり住宅なりなんでも作れる。金なら幾らでもある・・・。当時の人々は、土地の値段が下がる事など絶対にないと本気で信じていた。
だが龍が出現して、状況が変わった。
龍と人類軍が対峙する最前線に近い土地の証券が、〇〇を恐れた臆病者により売りに出された。
戦地予定の土地の証券など、高額ではだれも買わない。そこで値段を下げた。それでも戦地予定地は売れなかったが、これが取引心理に予想外の波紋を生んだ。
絶対に下がらないはずの土地証券の値段が下がった。龍という未知の相手との衝突の結果は、誰にも予想できない。その影響だろう、と説明できたが、疑心暗鬼が生まれた。軍では、奥義術式を当てれば勝てると言ってるらしい。勝つだろうが、結局〇〇はどうなるのか?甚大なんじゃないか?て事は事後処理や復興で大儲けできるな!
衝突の規模が大きければ大きい程、〇〇が大きければ大きい程、その後の復興で巨額が動く。復興特需だ!まずは資材を確保しなくては!そうして一部の会社が、戦地に近い森林から建築材目的で大量に樹木を伐採し運びだした。伐採した森はいずれ他所に売る。住宅街か何かになるだろう、一石二鳥だ。
そこは、龍が人間に対して活動を禁止した土地だった。龍が超音速で飛んできて、伐採現場を火の海に変えた・・。
始まった龍との衝突は、証券市場では最初は楽観的に受け止められた。人類連合軍は勝利を重ねていたからだ。しかし最高位術師である守護王女が倒れ、次ぐ高位術師たちが次々と消耗する報が届き、ついに人類軍が後退するという決定を受けて、市場は大混乱に陥った。開戦からわずか一週間後、王族協議会は龍からの降伏勧告を受け入れた。
人類連合軍は、龍に敗北した。
この瞬間、人魔境界線が確定した。その線より向こう側での人類の権益は、全て無効化した。
まさに暗黒の日である。貨幣価値が暴落し、カネで動くもの一切合切が停止した。もちろん政治による保証などある訳が無い。
カネというエネルギーが停止した人類世界で、それでも日常を食いつなぐ為に様々な試みがなされた。しかし生活が危ういのは確かで、そこに革命思想が蔓延した。
そも人類連合軍は、1000万からの超大軍である。軍を支える為の膨大な各種支援組織も含めれば、関係者は一億人にも達しようかという組織だ。それだけの数の人間が、降伏に伴う人類連合軍の解体によって職を失うのだ。
全て王家と政府のせいなのに、なぜ奴らは君臨しているのか?王家を倒すべきじゃないか?
こうして革命の炎が立ち上がった。王権を人民の手に!
革命の炎は、守護王女によって鎮火された。
人類絶滅と対峙し、これを打ち破った地上最強の念力戦力、それが守護王女である。人類連合軍の規定により、一国につき最低三人は存在する。
前線で龍に敗れた守護王女の他に、自国で残って留守を守る守護王女もある。
蜂起した市民が何十万人であろうとも、守護王女からすれば、ただの一般人に過ぎない。
一般人が何十万人集まって念力を結集しようとも、最新の念力術式には太刀打ちできない。術式が強力というより、念力の作用の仕方という原層力学的な理解度で雲泥の差があるからだ。もっとも龍と守護王女の間にも、同様の差があり、それで敗れたのだが。
守護王女が革命を鎮火させ王家を守ったのは、残存魔種族から人類を守るため。そして、絶対権力としての王家の存続が、人類の未来にとって必要不可欠だからだ。
王族協議会は、降伏を受け入れるにあたり龍と協議した。人類をこれからどうするのか。龍側は、人類を支配する意図はないと明言した。
龍の意図は人魔境界線の確定だった。それは現在の人類の思考レベルでは超えられない線である必要があった。多様な知性が混在するこの世界に、経済という〇〇を持ち込まれて席巻されるのはウザい。故に、殺戮と戦争、奥義術式(核爆発)の無制限使用という取りうる最強戦力を使った上での完全敗北、が必要だった。
境界線を越えうる条件は2つ。龍を倒すか、人類が進化するかだ。そしてどちらも選ばず「人類居留地」に留まるならば、その時こそ龍が人類を滅ぼす。さっさと死ね。
王族協議会は、人類の進化を選んだ。何をもって進化とするか。人類発祥以来、最も大きな進化は貨幣経済の発明である。その貨幣経済を、広範に経済というものそれ自体の、歴史的役割を終了させる。以て貨幣経済を棄却する。
政治、軍事、経済、この三体が密接に連結しているうえで権力がある。経済の役割終了が先か、軍政経の分離が先かは分からない。経済なくして軍はなく、軍なくして政治はない。すべてが実現した暁に、どんな世界が拓かれるか全く分からない。しかしだからこそ、全く新しい進化であるとする。
世俗の欲にまみれた民主化では、絶対に進化は達成されない。世俗の欲の追求の果に惑星全土を証券化する事が、人類の未来なのか?そうかもしれない。
そうでないかもしれない。だが民主化では、世俗の欲の追求が最優先されるであろう。それを防ぐために、絶対権力としての王家が必要なのだ。
龍は人間の進化目標を受け入れ、人類に協力すると約束した。
ウオスミのおすすめ商品











































