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商品について
この世界での最高戦力とは「守護王女」である。
太古、念力に優れ仲間と共に魔と戦い民を守った人々。
念力や戦闘の才能に優れた人間が王となり、あるいは王を支えて武家貴族となった。
そうした血が歴史の中で濃縮され、原層術の発達と共に、人類絶滅戦争で生まれた地上最強の念力術式戦力。
それが守護王女である。
この世界では複数の魔的他種族との戦闘、ときに人間同士で様々な戦闘が繰り返されてきた。
膨大な知見による一応の結論として、高烈度戦闘は術士集団での接近戦となる。
遠距離から攻撃したのでは、弾は攻撃側から遠ざかる。弾を念力的に操作するタイムラグが大きくなる。
一方防御側は弾が近づいてくる。向かってくる弾を操作するタイムラグは小さくなっていく。
遠距離である程、攻撃側はタイムラグにより、最終的に防御側の操作に追いつけなくなる。
防御側が絶対有利であり、念力能力の無い銃砲弾を遠距離から撃つ意味は全く無い。ゆえに接近戦をするしかないのだ。
術士が弾と化すということである。
どのような接近戦をするか、何をするべきでないのか、研鑽が積まれていった。
女性の子宮を刺激して造魂特異点を活性させ利用する術式が創出され、女性の戦闘進出と戦果が目立つ様になった。
そうした人間族の発展が魔的他種族との軋轢を生み、ついに上魔側による人類絶滅戦争が起きた。
人間族の版図は大陸全体に対して三割強だったが、太古からの歴史的経緯により上魔版図とモザイク状に絡み合っていた。そのため開戦当初からあちこちの国でそれぞれ個別に戦闘するという状況。
人類側の武力は各国でまちまちであり、防戦一方という状況だった。
そんな中、戦の才能に恵まれた王女とその騎士団が目覚ましい戦果を上げ続けていた。
疾きこと風のごとし。時速五百キロ以上で突撃し、敵前線を貫通して敵縦列陣を掻き乱して敵陣の機動力を奪う。そして味方の作戦進行を支援するというやり方だった。
念力操作の効率を最大限に上げて、超重装甲と言える多重防御術式を展開し、敵に対応時間を与えないよう超高速で敵に肉薄、百分の一秒、千分の一秒という短時間で一撃決殺するというもの。
この超短時間一撃離脱コンセプトは注目され、念力戦力の最高峰として王族または武家の姫君を推す重要度が認識された。
たが、姫の指揮を誰が執るか、など問題が多い。ましてや姫君の子宮に魔素器を挿すのだ。どこの国でも出来ることではない。我が国においてはそれよりも… というような、各国それぞれの事情が先立つ。バラバラな戦力のまま、当座の同盟で緩い戦線が組まれ、苦戦あるいは敗退を余儀なくされる。
王族協議会という協議の場はあるが、人類総軍というような統一組織などない。各国の思惑や領土・利権などの野望が、絶滅戦争という外圧に押し込まれ、あるいは焚きつけられ混沌としていた。
まともな意識を持った王族・重臣はじめ、多くの人々は漠然と感じていた。
利益ではなく人類安寧のために。野心なく只人類を守る、その為だけの戦いが出来なくてはならない。それが出来なくては、人類は人類自身によって滅ぶかもしれない。
どうすればそれを実現出来るのか?
その鍵は、人間の宿命である降魔化の仕組みにあった。
二人以上の魂が干渉することで原層次元が歪み、体内の電子が魔素へと破換される。
全ての魂は原層次元で魂構造としてあり、魂同士は波動を通して繋がっている。繋がる範囲が人類である。
複数の魂の在り方が波動によって干渉しあい歪みを生じる。なれば、波動に干渉することで魂の在り方に干渉できるのではないか?
その原層術士が思い至ったのは、上魔による精神干渉を観測したからだった。人類を無意識に破滅に向かわせるものだった。直ちに、強力に対抗しなくてはならない…。
そこで思いついた。人の精神を、善の方向に誘導できるのでは?と。彼女は上魔による精神干渉の証拠とこの対抗を所属組織に報告し、その対抗策の研究を始めた。並行して、悪とする波動の定義、善意とする波動の定義、悪を善に変える干渉の方法の研究を始めた。
これは、精神の自由を完全に奪う研究である。だが真に人類を守る戦いをするには、真に人類を守る戦いを志向する者を作らねばならない。
そして人類連合軍を造る。その為に密かに仲間を集めた。
彼女は、とある国の王に直訴した。彼女の研究で「善」と定義される波動状態を持つ人物だった。
直訴の内容は、人類連合軍創設を訴えるものだ。直訴は聞き入れられたが、実現には程遠い。
それでも初期の目的は果たした。波動は他者に伝搬する。彼女の術式は王の魂構造に干渉し、故に人類連合軍創設の訴えは聞き入れられたのだ。
王は人類連合軍創設の可能性について思索し、根回しを始めた。座して上魔に滅ぼされぬぞ、と。
波動は、王族協議会で伝播する。「悪」と定義される波動状態の王達が反発する。これが敵だ。
人類は全体として絶滅を望んでいない。破滅に向かう事を強く拒否している。人類連合軍創設はこの大流に沿うものだ。
人類連合軍創設に反発する者には精神干渉を行い、あるいは暗殺するべきだ。そのような実行部隊が秘密裏に組織された。「善」の波動の干渉を受けた者達によって。
戦争に負けたら人類は滅ぶ。それに対抗するのは「善」ではあるが、悪とされる王に正義がないわけでは無い。事は国の運営、国民の生活、安寧に直接関わるものだ。人類連合軍の創設は場合によって国民の生活を踏み潰す事になりかねない。莫大な国力を以て軍隊を動員し、どこかの国を、生活の場を戦場にして、上魔と戦い、勝つ。結果として荒廃した国土を、また莫大な国力を以て復興せねばならない。
人間世界はどうなるのか?戦うは地獄、逃げるのは破滅だ。それを恐れて反発する事を、悪とは言えない。
利益、国益、取引、このいずれも人類連合軍創設の軸にはならなかった。予想損失が膨大過ぎる。補償出来ない。協力は出来ない…。であれば戦争に負けて死ぬしか無い。これまでの戦果がそう言っていた。
王族協議会の場で最後に残ったものは、「善意」だった。
ただ人間を信じ滅亡を拒否する。それだけは戦う動機だと言えた。純朴なだけの「善意」を以て、人類を守る。
大前提として、国民の安寧あってはじめて利益がある。国民の安寧を守る。守る。その為に人類連合軍が創設された。
善の波動によってしか成し得ない途方もない事業だった。
守護王女という制度は人類連合軍の最高戦力として設けられた。参加する全ての国が、戦闘適正をもち然るべき能力を持つ女性を守護王女として戦力化しなければならない。
その女性がいかなる身分でも王女格として扱われる。最強戦力であるからだ。だが一般人の念力能力が王族や武家に比するものではない。
人類連合軍が要求した能力値を満たす者は、結局その全員が王女または武家貴族の姫だった。
上魔にとって人類の牙、恐るべき鋼鉄の突撃として恐れられたのは、彼女達の想いの強さゆえだった。純朴なだけの「善意」を以て、人類を守る。国民の安寧を守る。それが守護王女である。
人類連合軍がGLOBE GUSTとして姿を変えた現代でも、それは変わらない。
画像はエルガナン国守護王女、ブランシェリーファ・アストレイド姫である。
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