旅人サランサと妖精ノームは疲れ切っていた。 二人は青い顔をしながら、ぐったりとしており宇宙船の中で大汗をかいていた。 「ご主人様―。なんとかしてください。もう暑くて暑くて死んじゃいますよ...

国会が開催される議事堂では今、重々しい空気に包まれていた。 「亜美とさくらを今すぐ辞職させるべきだ！」 「総理。あの二人をこのままにしておいて、いいのですか？」 「総理。亜美とさくらに...

旅行が趣味の人はどれぐらい居るのだろうか？ 少なくとも俺の通っている大学には旅行好きは居ない。 旅行に行ったという話を聞いても大体の奴が東京○○ランドとか大阪のユニバーなんとかなど、みんなテ...

ズシイイィイイイイイイイイイイイイイイ ズシイイィイイイイイイイイイイィイイイ 地面が波打つほどの揺れが突如として襲い掛かってきた。 揺れは自然規模で起こり、その影響をビルがまともに受...

ズシンズシンと足音が絶えない屋敷。ここ巨人の屋敷兼俺の住居は毎日のように地震が発生している。 体が飛び上がるほどの地震。それは巨人の足音。巨人の歩く音だ。 巨人が歩くたびに、底が抜けるんじゃ...

（来た！） ツモ山に手を伸ばし持ってきた牌は中。これで手配は整ったテンパイだ。 2p3p5p1m2m3m9s9s1s2s3s中中　ツモ中 （5pを切って1p4p待ち。高目の1p...

世の中どうも矛盾ばかり感じる。生れて初めてそれを強く意識したのは幼稚園の頃だった。 幼稚園の先生はわたしたちに「思いやりのある優しい子になりなさい」と毎日のように言っていたけど、そんな子はいな...

この世は楽園天国だ。人間は不老不死だ。 最後に人が死んだのはいつだったのか？ それすらも記憶に薄れるほどに栄えた、死とは無関係な楽園世界。緑豊かな地平線がずっと先まで伸びている。 この楽園...

「残念ですが長原君。折れてます。二か月は試合に出られないので、夏の大会は諦めてもらうしかないですなぁ」 原稿でも読み上げるような淡々とした説明。 そんな説明に俺はひどく傷ついていた。 ...

うわーどっか行きてえ！ 時は夏。学生の特権である長期休暇。いわゆる夏休みに入ったところだ。 数日間ゴロゴロと自堕落に過ごしてきた俺だったが流石に飽きて来た。今猛烈にどこかに行きたい気持ちでい...

人間の力ではどうしようもないことはたくさんある。地震、雷、火事、津波。 これらの自然災害は人間がどんなに努力しても、どんなに研究しても防ぎきれないことであり、弱き人間は強大な自然災害をただただ...

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 と、神様に言ってみたものの、はあーなんだか虚しいです。 あ、初めましてわたし。ここの神社の管理を任せられている巫女です。だけど、...

***** ＜幼稚園児＞ 「はあーい。皆さん。今日は皆さんと一緒に紙芝居を見てましょうねー」 「「「はーい」」」 園児帽を被った園児たちが保育士さんの元へ駆け寄ってきてい...

今や世界人口は80億人を突破し、急激に人口が増えている状況だ。 急激に増えた人口を支えるだけの食料、飲料水を確保することが人類存続に向けての最重要課題になっており、一刻も早く解決すべき問題であ...

家庭の平穏というものはシャボン玉のように脆い。 レジスタンス街に巨人がやってくる。 そんな噂が流れるだけで、レジスタンス街は蜂の巣を突いたような騒ぎになった。 「父さん。今日こそ巨人族...

黄金の国。 その国は黄金であふれかえっており、建てられている建造物はすべて黄金でできているという。 俺の乗る光推進宇宙船はその星に向かって全速力で進んでいた。 「おい。お前。本当に黄金...

「あはははは。バカでチビな生命さん。こんにちは。神様でえーす」 舐め腐ったような雷鳴が地球を轟かす。 地球軌道外から巨大な顔が地表を覗き込んでいた。その顔は少女。 〇〇〇〇が着るような...

無限に広がる大宇宙。 有害光線や真空など人の進出を阻んできた死の世界に生身の人間が遊泳している。 「ふむ。今のところ順調だな」 宇宙パイロットのような真剣な顔つきで話す、一人の女性...

困った実に困った。ビデオカメラを持ったマルクは頭を抱えていた。 それは昨日のことである。宇宙インターネットを通して送られた命令文。 マルクの故郷、その政府から送られてきた命令文には「アクレス...

銀河をまたにかける大艦隊。 幾重もの星々を圧倒的科学力で滅ぼし、その星を植民地にする。 弱き者は支配され、強気者が生き残れる。そんなポリシーを掲げる帝国。 その名は銀河帝国。 銀河帝国大...