夏目縮小亭 (夏目なつめ)

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夏目縮小亭 (夏目なつめ)の投稿

夏目縮小亭 (夏目なつめ)の#サイズフェチに関する投稿一覧です。「村雨改二にうってつけの日」「圧壊都市」など、58件の記事が投稿されています。

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村雨改二にうってつけの日

§  蠱惑に妖婉さが加わったといった感じだった。  男であるのを恨んだほどだ。でなければ、これほどまでに懊悩しなかったろう。  村雨が改二になって以来の、私の動揺といったらなかった。密...
14

圧壊都市

つまんない、と彼女は言い切った。  平野部、無窮とも見える街を指してのことだ。 「何もないわ。なんにもない。だだっ広いだけの場所よ」  山の展望台、吐き捨てるように言う紗矢に苦笑する。文字...
19

放課後の先生は

僕の学校には紳士がいる。  女の人だけれど。  紳士先生なんて呼ばれているけど、男女ともにファンが多いのは綺麗な人だからだ。サラサラ長い黒髪、キリッとスーツを着て切れ長の目。凛とハスキー...
30

僕を虫と呼ばないで

§    僕らは逢瀬を、時に森で行った。  村を抜けて深い深い森の奥、小さな影を寄り添わせるのだ。 「結構遠くまで来たね」  石を蹴りながらミンが呟く。 「丘を越えたの、初めてだ...
60

飲み込みの良い荒潮さん

§  執務室に入った時、私は落ち着きなくあたりを調べ出した。  人影がいないことを、確認せずにはいられなかったのだ。  ソファは無人。カーテンの裏には誰もいない。  滑稽なまでの行動...
9

縮める幼女

§  田舎に帰省してる時、叔母さんが言った。 「そうだ! せっかく一緒にいるんだから優と日菜一緒にお風呂入りなよ」  ポンと手を打って、僕に言う。 「えー、だって日菜女の子じゃん」 「...
25

いい子わるい子

§  あどけない声に包まれると時折、世界で私一人が大人なのだという錯覚に陥る。  それほどまでに、私の日々は〇〇の声で溢れていた。 「先生っ、出席簿持ってきました」  たとえば、こんな風...
35

夕立でいっぱい

§  出張から戻り執務室のドアを握った時、異変に気付いた。  ノブがあったかい。  そして扉を開けば、すぐさま私は短く叫んで飛び退いた。  恐ろしく大きく美しいルビー色が、ドアいっぱいに...
7

神聖無邪気な産み治し

明朝に、澄んだ歌声が降り注ぐ。それは鳥のようにどこまでも届き、遍く渡り、慈雨のごとく、甘露のごとくに暖かい。  それは一人の娘の奏でる鼻歌だった。軽く腰掛け、穏やかな笑みに瞑目したままゆた...
7

長雨の部屋

降るなぁ、と、気怠く気怠く彼女は言った。ベッドの上、薄暗い土曜の昼過ぎのこと。  窓を打つのは蜘蛛の糸に似た細い雨で、通奏低音に似た響きを伴う。  降り始めて何日かは、もう忘れた。 「イヤ...
28

mission failed

§  夜陰を抜け無数の人影が野に散らばっていた。そこには、俺を含め男女が数十人。身を低くし地を駆ける俺たちに夜気の爽やかな闇がそよいだ。夜露に湿り瑞々しく濃い香りだ。緩やかな風に天を覆う植物は...
39

小人と大人と(後編)

§  それから、家にいく度サヤさんは例の言葉を囁いた。  ニコニコと笑う可憐な少女が、一瞬艶を見せたと思うと蠱惑的な年上に変わるのだ。そうなれば、私はどんな言葉を口にすれば良いのかわからなく...
8

包んで閉じて

§  机の天板に似た、丸みを帯びた板に、色を塗っていく。半透明の水晶のようなそれは、厚く、つややかなもの。巨大な球体に支えられたそれに一筆刷毛を走らせれば、鮮烈な赤が伸びていく。 「ごめんね...
46

由美さんの媚笑

§  華奢な体を憎く思う。まだ来ない成長期に、女の子みたい、なんて言われる始末。名前さえ女子っぽく、今でも時折間違われるから困り者だ。  だからこう、親にさえ信用されないんだろう。口惜しいよ...
37

朝潮遊戯、荒潮遊戯(上)

朝潮と荒潮の二人が入ってきた時、本能的に嫌な予感がした。  生真面目な少女の背後に、妖しげな荒潮の影。朝潮の肩に手を肩に手を置きながら、普段の微笑みにさらに意味深な笑みをたたえている。  私...
15

手乗りご主人1

ケットシーを飼うことにした。  捨てられていたのだ。 「でも、どうしようたものかな……」  道端、ダンボールに入って縮こまっているのを見て、どうにも立ち去れず今に至る。ケットシーなんて飼っ...
35

浦風の胸の内

「浦風は涼しそうでいいな」 「ん?」  独り言ちるも、どうやら聞こえたらしい。怪訝そうな顔で小首を傾げる彼女。垂れたその青空のような髪も、袖の丸めたセーラー服も、夏に適した格好だ。少なくとも...
17

乳頭の牢

僕を乗せた布は、凧のように浮かび上がった。しかし外の様子は窺い知れない。タオルケットのようなものに包まれ、身動きさえ取れずにいたのだ。  ベール越しには陰影が踊っていた。そして、一気に暗くなる...
22