「まだ、今日も、終わらないのか……。」 かつて、勇者と呼ばれていた少女が、あの凄惨な目覚めを経験して数か月。 彼女は、不幸にも、未だに人格を保ち続けていた。 なにせ、肉棒としての生...

ストームボーダー。 管制室。 マシュは今、呼ばれていない。 秘匿回線で、秘密裏に私だけが呼ばれていた。 「マスターちゃん。本当に申し訳ないと思ってる」 「ううん、気にしない...

「オフ会……ですか？」 そんな文字が、グループチャットの表示に踊る。 そう、あの日起こった事件の起こりは、間違いなく、この日のチャットが元になったのだろう。 「そう！私も穂香も、お...

「はぁ～～～～～！楽しかったぁ……」 五月の頭。 全ての予定を終えた私は、そういって、ぐっと、伸びをして息を吐く。 四月終わりからの一週間にわたる長期休暇。 学校も休みになり、旅...

魔王の城。 広大で、危険な魔物たちの領土、その最奥。 「はぁ……はぁ……」 その内部では、一人の少女が、今にも途切れそうな、浅く、早い吐息が、静寂な広間に響かせていた。 彼女...

敵の実力を見るのならば、まず、大きさを見ろ。 そう、冒険者たちの間で伝わり始めたのは一体いつのころだっただろうか？ 資料を漁ったところで正確なものなどでようはずもないが、少なくとも神...

そう、これはIFの物語。 「せめてもの慈悲としれ」 本来の世界において、彼女は、間桐の少女に余裕はなかった。 何せ相手は、英雄王ギルガメッシュ。 彼の攻撃はすさまじく、彼女は...

「結論を言うと、……今のノアを魔王軍に戻すのは難しいわ」 未だ、世界の果ての、はるか彼方にいるメイシアの話を聞きながら、世界の探知を続けていると、そう、メイシアは話を切り出した。 そ...

かつて、人は空にあこがれを抱いていた。 果てなくどこまでも、続く、青い、青い空。 そんな美しい世界だからこそ、多くの人々は、空を目指した。 それは、きっと、いつの時代であっても当然のこ...

小さいことは罪である。 少なくともこの世界ではそれは、絶対的なルールだ。 それが真理であると気が付いたのは、七歳のころ。 その日、私は、巨大化適性者であることを知った。 それがすべて...

男は、息を吞んで、報告を聞いていた。 戦況は、最悪と言っていい。 男の軍は、既に幾度も撤退を繰り返していた。 必死になって維持しようとしていた前線など、とうの昔に崩壊した。 だが...

とある山の奥地。 そこには、沸き上がる温泉を中心に立地に見合わないほどに、盛り上がる温泉街があった。 「さて、ここでいいの？メイシア」 「えぇ、間違いないわ。ありがと、ノア」 ...

世界が激変するのは、いつも突然のように見えるものだ。 多くの場合、激変の前兆は、水面下で行われ、日々を暮らす人々の前には、姿を現すことはない。 『地球の人類に告げます。今日より、そちらの...

「ちゅわー。今日も疲れましたわー･･････」 深夜二時。誰もが床へとつくような時間に、机に突っ伏すように力尽きる少女が一人。 東北家の長女、東北イタコの夜は遅い。 もうこんな時間だと...

「全隊とまれ！！！」 とある巨城の中庭。 そこに、怒号のような雄たけびが響き渡ると、そこにいる、数万の軍勢は、一糸乱れることなく、その場に立ち止まる。 万を超える人間が、たった一人...

「……はぁ」 廊下を歩きながら、彼女、リナは、小さくため息を吐く。 ここは、魔法学院・ケルベナ。 〇〇たちが、自身の魔法を磨くために集まる、専門の学校であった。 そして、彼女...

とある世界。 人類と魔族。 光に生きる人類と、その光を欲す魔族が、遥か古から、争いを続けていた。 だが、その戦況は、常に人類という種が不利であった。 何せ魔族は、人類を超える...

VR技術が発展し、一般家庭でも、高レベルなVR体験が、楽しめるようになって、数年。 ある日、唐突にリリースされたゲームは、それまでのVRの世界を、新たに押し広げていた。 『巨大少女体...

その歓声を耳にしたとき、私は生まれた。 完成した私は、柔らかくもない、かたいベッドに寝かされていた。 体を起こし、網膜のセンサーに映るものは、もう何年も、ここで研究しているのであろうここ...