第七話「北炭のジャンヌ・ダルク」 「四〇年不況」の真っただ中、本命のソニーとホンダから不採用通知を受けた私は、先生の推薦で北海道炭鉱汽船に採用されました。この不況は、三度にわたる公定歩合の引き...

第六話「投資の本質」 　高校三年生のとき、私が本田技研工業の次に受けたかったのは、実は証券会社でした。「貯蓄から投資」へというスローガンが、新しい時代の訪れを予感させていたのです。ところが、証...

第四話「恩師の指導」 　1961年、世界を震撼させる衝撃的な事件が起こりました。五十年以上の伝統を誇るマン島TTレースで、極東の無名メーカーであるホンダが、125cc、250ccの両クラスで1...

第二話「初めての商売」 　戦後まもなく、日本中がまだ食うや食わずの生活をしている頃に、私は七人兄弟の二女として生まれました。七人きょうだいの真ん中でした。父は倶知安（くっちゃん）に近い農家の子...

　今から一年半ほど前の話だ。当時の僕は、「小説を書いて一旗揚げる！」と息巻いていたものの、何一つ結果が出ずに焦っていた。そんな中、僕の後ろ盾である赤瀬川さんの伝手で、「ある上場企業の創業者の一代...