商談がまとまったお祝いに夕食に招待して下さった商社の社長さん。その後、わたしに対するアプローチが日に日に強くなるようでした。携帯電話の電話番号だけでなくメルアドを聞かれるなど、少し警戒したほうがいいのかなと思い、わが社の社長にも相談したんですけどその心配はないと、そっけないお返事でした。その訳を聞こうと社長室へ伺ったんです。すると社長からこんなお話が。
　実は先方様はわたしに興味があるらしく、いいえ、わたし自身にではなく、わたしの脚に興味があるらしいんです。それもストッキングを穿いている時の脚に。一度でいいから写真を撮らせてほしい。そう懇願されたそうなんです。
　「どうだね、佐々木君」
　動揺してうつむいていたわたしの目をじっと見つめる社長の眼差しに、つい心が揺らいでしまいます。
　「わたしも驚いたんだが、写真がご趣味らしくて」
　その方、社長さんと同好の方だったんです。先方様が撮影された写真が応接セットのテーブルの上に並べられました。
　「拝見いたします」
　そのどれもが、女性の脚とお尻を強調したカットばかり。どのモデルさんもストッキングを穿いていました。
　
　そんなことがあって、きょうなぜかわたしは、その方、そう、ストッキングフェチさん。商社の社長さんの撮影モデルとして都内のホテルの１室にいるのです。
　きょうも外は雨。春先のまだ肌寒いこんな日に、その方の指示通り、ミニスカートとベージュのパンティストッキングを穿いて来たのです

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