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「子宝温泉」上巻

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『子宝温泉』上巻

 とある山奥に、一軒の小さな温泉宿がある。人里離れた秘湯に、いま若い女性客が殺到しているのだ。振ってわいたような温泉ブーム。そんな最中、美容にテキメンの効果がある女性誌で紹介されたこの秘湯は、いつしか『美人温泉』と持て囃されるようになったのだが……『美人温泉』を訪れる女性客には知らなかった。
 『美人温泉』は、もう一つの作用から地元の人に『子宝温泉』と呼ばれていることを。

序章「温泉の効き目」
第一章「美容マッサージ」
第二章「ハルカの孕ませ撮影」
第三章「膣壺マッサージ」
第四章「体内洗浄コース」
第五章「膣内洗浄コース」
第六章「さらにの膣内洗浄」
第七章「ダメ押しの膣内洗浄」

美人温泉の効能(美容効果、殺菌・洗浄効果、〇〇効果、〇〇効果、排卵効果……)

属性(〇〇・ペッティング・剪毛・撮影・寝取り中出し妊娠・膣壺マッサージ・体内洗浄・腸内洗浄・膣内洗浄、処女受胎)
原稿用紙換算128枚

登場人物

桐山 マユ(きりやま まゆ)十八歳大学一年生。ショートカットの黒髪、処女、地味に巨乳。常に人の影に隠れる臆病な性格。ハルカとは高校時代からの先輩後輩で同じサークスに所属している縁。ハルカがどうしてもというので、子宝温泉まで付き合わされた挙句長期逗留する羽目に陥る。

本庄 ハルカ(ほんじょう はるか)彼氏持ち。二十歳大学二年生。すらりと伸びた長い脚。スリムだが均整のとれた身体。金髪に染め上げたセミロングの髪を後ろ手束ねている。大胆な性格でスタイルもいい美女。

八房 ナルミ(はちふさ なるみ)三章登場のモブキャラ。職業雑誌モデルの二十四歳。『美人温泉』の評判を聞いて、来泉。『膣壺マッサージ』であっけなく孕まされてしまう。

上谷 エリ(かみや えり)十一歳、小学五年生。好奇心旺盛なくりくりと大きい眼が特徴。好奇心旺盛。山ひとつ越えた麓の街に住んでいる。昔から母親と良く『美人温泉』に来ているので、今もひとりで自転車でよく遊びに来る。

オジサン(氏名、年齢、共に不明) 頭が禿げ上がった、ごく普通の人の良さそうな中年。体力は割とありそうな体つきをしている。この温泉宿の店主であり『美人温泉』の清掃係でもある。一人称ワタクシ。お客さん相手の商売なので、なにかといえばございますございますとバカに丁寧な口調だが、慇懃無礼な態度にも見える。

――以下、序章を試し読み

序章「温泉の効き目」

 ここは、とある人里離れた山奥にポツンと立っている温泉宿。
 つい最近まで無名の秘湯だったのだが、美容にテキメンの効果がある『美人温泉』と女性誌で紹介されたのをきっかけに、陸の孤島と呼ばれている辺鄙な土地にもかかわらず多くの女性客で賑わっている。
 美容に対する女性のあくなき執念は恐ろしいものだが、温泉のエキスで玉の肌を磨き上げて美女になろうと躍起になってやってきた多くの女性客は、この『美人温泉』が美容成分に加えてもう一つの効果から『子宝温泉』と呼ばれていることを知らなかった。

     ※※※

「うわぁ――ほんとに気持ちイイですねぇ……私、ピンク色のお湯なんて初めて……」
「ねっ、ねっ、マユ! 来てよかったでしょう」

 青華大学に入学して迎えた初めてのゴールデンウイーク。長い休日をのんびりと過ごそうとしていた桐山マユ(きりやま まゆ)は、高校時代からの先輩で、同じ大学の先輩でもある本庄ハルカ(ほんじょう はるか)に半ば〇〇に引き摺られるようにして、秘湯『美人温泉』にやってきた。
 都会から特急列車で三時間、ようやく着いた駅から、さらに今にもエンストしそうなボロボロのバスで山道を二時間かかると言われたときには、もう真剣に∪ターンして帰ろうかと考えたが、まさに秘境と言えるような山道を越えて、四季折々の花々が咲き乱れる谷間に出た瞬間に、こういう旅行も素敵かもと思えてきた。
 山奥の一軒家にしては、真新しい木の香りがする綺麗な温泉宿。流石に『美人温泉』と紹介されているだけあって、小さい宿ながら多くの女性客が訪れていた。宿主のオジサンに真新しい畳の部屋に通されると落ち着く暇もなく「早く美人になりたい」とハルカに急かされるように『美人温泉』に飛び込んだ。
 ピンク色だからだと言うわけではないだろうけど、『美人温泉』からは薔薇と桜と桃の花が入り交じったような甘い香りが立ちのぼる。そのむせ返るような甘い湯気を吸い込むと、恍惚としてホワッと幸せな気持ちになれる。
(こんな温泉は初めて……)
 マユは家が裕福で、いわゆるお嬢様育ちだ。国内海外問わず旅行経験も豊富だが、日本の山奥にコレほど気持ちが良い温泉があるとは知らなかった。身体中が軽くなったみたいで、このまま寝てしまえばフワフワと天まで飛んで行けそうな心地。
 長旅の疲れなんて、お湯に浸かって五分で吹き飛んでしまった。マユが湯船でいい気分になってうつらうつらしている間にも、ハルカは「きゃーこっちのお湯は飲めるんだって、小顔美人だって小顔美人」などと大はしゃぎしている。

 マユがのんびり浸かっている間にも、ハルカはワシワシと、お湯の中で肌を磨っている。美容にあんまり興味がないマユと違って、ハルカは本気で美人をさらに磨き上げるために来ているのだ。エステに通うことを思えば、遠方の温泉までの費用も高くはないのだろう。
 同じ女のマユの目から見ても、ハルカのすらりと伸びた長い脚にスリムだが均整のとれた身体は素敵だと思う。
 金髪に染め上げたセミロングの艶やかな髪もハルカのゴージャスさを際立たせるのだが、温泉ではさすがにふんわりした髪は邪魔に成るらしく、ゴムで束ねている。
「ハルカさん、元々美人だから必死になる必要ないのに」
「だって、女だったらもっと綺麗になりたいじゃない。マユだって磨けばすぐ私みたいに……ウフフッ、すっごいカッコいい男にアプローチされるかもよ? そのデカイおっぱいをもっと活かしなさいよ!」
「ちょっ、胸を触らないで下さいっ……ああっ……胸が弱いって知ってる癖に酷いです……」
 マユはお湯の中でクタッとなってしまう。胸を触られると力が抜けてしまうのが、昔からのマユの弱点だった。
「ぐへへへ、この揉み心地がたまらんのう。何食べたらこんなにデカくなるんだよ。男に触らせたことないなんて勿体無い。感度いい巨乳なんて天然記念物だよっ!」
「ハルカさん、イヤらしいオッサンみたいな手つき止めてください……。ああっ、ほんとに駄目だから止めて……。そっ、それにハルカさん。カッコいい男なんて言って……ハルカさんにはもう彼氏さんがいるでしょ。いけないんだぁ……言いつけますよ」
 最愛の彼氏に言いつけられたらハルカも流石に困るのか、ようやくマユのオッパイを揉みしだく手を引っ込めてくれた。
「アハハ、言ってみただけよ。私にとってカッコいい男ってのは彼氏だけだよ。マユは、まだ……なんでしょ? だったら彼氏ぐらい作ればいいのに」
「私だって、出来たら作ってますよーだ」
 ブクブクと、お湯の中に顔を沈めてふてくされるマユ。先輩であるハルカもそうだが、マユも女子高出身なので環境的に男性に縁がなかった。地味なマユから見ると、女優さんみたいに見える派手な美貌のハルカだって、高校時代は大人しいもので大学デビューしてカッコいい彼氏も出来たのだ。
 青華大学は伝統あるお嬢様学校というイメージがあるので、合コンなどで物凄い人気がある。ハルカと一緒のように、とはいかないけれど自分も素敵な彼氏が出来たらいいなと、ほんの少しは期待しているマユだった。
 今のところは引っ込み思案な性格が邪魔をしてなかなか動き出せないでいるけれど。自分もそのうち綺麗になれるかな、お湯の中で揺らめく自分の身体を手で抱くようにしてマユはあれこれと考える。マユだってお肌すべすべなのだが、ハルカの洗練された綺麗さとは何処か違う、まだ何処か子どもっぽい。胸やお尻ならハルカより大きいのだが、形の美しさが違うのだ。マユはあんなクッと引き締まったウエストにはならない。
(ハルカさんは二歳年上だから、二年後には私もあんなふうに綺麗になるかも……)
 そんなことを期待しては、あーやっぱ無理かもと頭を振るマユ。ザブンとマユは浸かっていたお湯の中から身体を持ち上げた。ハルカが洗い場で身体を洗い出したから、自分も洗い場に行こうと思って。

「あっ……」
 温泉の縁に手を掛けたままで、マユは小さく驚愕の声を上げて硬直する。目の前に、オジサンが居たからだ。頭が禿げ上がった、お坊さんみたいな雰囲気の男の人。たしか、宿の店主さんじゃなかっただろうか。
 オジサンは首から『清掃』と大きく書いた札をぶら下げている。札を持ち上げて、ニヤッと笑う。釣られてマユも口を歪めるようにして笑ったが、あーなんだお風呂場の清掃なんだ納得納得、とはとても思えなかった。オジサンが真っ裸だったからだ。女子風呂で男が裸になるなんて何を考えているのだろう。
 くたびれた中年男性にしては引き締まったオジサンの裸体、そうして股間の立派なモノは明らかに上を向いて勃起していた。こんなにマジマジと見るのは初めてで、奥手のマユは真っ赤になって俯いてしまう。
 俯くけど、やっぱり気になって見てしまう。小学生ぐらいまで父親とお風呂に入っていたけど、あんなにグロテスクではなかったように思う。やはり身内と他人の男の人とでは違うのだろうか。
 マユがモジモジしているのを見ると、オジサンは優しげに声をかけてきた。
「どうしたんですか、お身体を洗うんでごさいますよね。私なら『清掃』ですから気にしないで、ささっ――どうぞどうぞ」
「えっ、あっ……でも……」
 勧められても動かないマユを見て、オジサンは少し考え込んだ。
「うーん、たまに貴方様みたいに温泉の『効きが鈍い』人が居るんでございます」
「温泉の効き目ですか?」
 マユは、気になって聞き返した。自分みたいなトロっとした人間には、美人になる効き目も薄いんだろうかと思ったからだ。
「温泉も既に浴びてらっしゃいますから、心配いらないでしょうな……気になるならご説明申し上げましょう。そのほうが効き目も出やすいはずでございます」
「はい、お願いします」
 ぺこりと頭を下げるマユ。女湯で真っ裸同士で何をやっているんだろうという違和感が頭の何処かにあって、笑い出したくなるような滑稽感があった。

「今でこそ、この温泉は美容に効果のある美人の湯などと言われておりますが、昔は鹿狩温泉郷と呼ばれておりました」
「鹿狩り?」
 奇妙な単語だ。美人と鹿、あまりにもかけ離れている。
「この温泉の湯気を五分も浴びると、不思議なことにどんな凶暴な獣もクターっとなってしまうんでございます。だから鹿でも猪でも簡単に捕獲できるためにそう呼ばれておりました」
「そうなんだ……えっと、もしかするとそれは人間にも効くの?」
 マユのおっとりとした口調に似合わない鋭い指摘に、クワッと目を見開いて驚くオジサン。体格が大柄なせいか、どこか仕草が芝居じみている。
「さすが……賢い大学に通ってらっしゃるお嬢様ですね。そのとおりでございます。人間に温泉の湯気を嗅がせますと、一種の〇〇効果とでも申しますかねえ。とてもとても幸せな気持ちになり、大抵の女の子は警戒心が薄れて頭がパーになりますなあ」
 オジサンは自分のハゲた頭を指して、おどけた感じで『クルクルパー』として朗らかに笑ってみせた。それを見ているだけでマユも無性に楽しくなり、普段あんまり人と話すのが得意ではないのだけれど饒舌になる。これも温泉の幸せになるという効果だろうか。
「アハハッ、それで納得しました。そうか……どおりで、オジサンに裸を見られてもなんだか恥ずかしくないなーと……でもオジサンも、ここに居ると頭がクルクルパーになっちゃうんじゃない?」
「私はずっとここに住んでおりますから、慣れがあるのと温泉の効果を中和する山菜を食しておりますので、平気でおります」
「そうなんだ」
「ご帰宅のおりには、お客様にも同じ山菜を食べていただきます。どうせここでの記憶は曖昧になってしまいますから、温泉の影響はほとんど残りません。どうぞご安心ください」
「ふーん、それは安心だね」
 マユの頭のどこかに残った理性は、そんな効果で自分の頭がクルクルパーになってたら困ると警鐘を鳴らしていたのだが、元に戻ると聞いて少し安心する。温泉に浸かって楽しい気分なのだが身体の奥底から不自然にポカポカと暖まるような、風邪で熱が上がってきた時の多幸感に似ている。どこか不健康な気持ちよさなのだ。

「ささ、納得したなら早く身体を綺麗にしていただかないと困りますよ」
 そういって、オジサンに促されるけどマユはまだ動けない。
「あのっ、でもやっぱりなんか……オジサンが女湯で裸って、やっぱり何処かおかしくありません?」
「まだそんなことを言ってるんですか、しょうが無いですね。エイッと」
 オジサンは、掛け声をかけてマユの大きな胸をむんずと掴んだ。マユはあんまり目立っていないが、隠れ巨乳で片方の胸がマユの小さな両手でやっと支えられるほどの大きさ。それを片方の手で、握り締められるのだからオジサンの手は大きい。
 そんなこと考えている場合ではなかった、マユは思い出したように抗議の声をあげる。
「やあっ、いきなりなにするんですかっ! いやっ……あっ……ハッ、ハルカさん……助けてぇ……」
 巨乳の癖に感度が良すぎて、胸はマユの弱点なのだ。グニュグニュと、ただ手で軽く揉みしだかれているだけでも、マユは身体の力が抜けて大きな声がでない。
 だが、さすがに高校大学と長らくマユを守ってくれていたハルカ先輩。美容で頭が一杯で、必死に身体を磨いてくれていたはずなのに、マユの異常にさっと気がついて「オッサン、マユになにしてんのっ!」と叫びながら飛んできてくれた。乳首を指の腹で握りつぶされて、苦悶の表情を浮かべていたマユに笑顔が浮かぶ。
「何って、ほれ清掃でございますよ」
「えっ、えっ?」
 怒気を発して、オッサンに掴みかからんとしていたハルカだったが、オッサンが清掃の札を持ち上げて説明するとすぐ納得する。
「ワタクシは清掃の仕事でございますから、マユ様の身体も綺麗にしようとこうやって手で磨いていた次第でして、どこかおかしい点がございましたでしょうか?」
「ああっ、強くにぎっちゃ……だめ……」
 マユは、温泉から半裸を出したまま岩の縁でヘタっとなってしまう。本当にオッパイが弱いのだ。
「マユー、あんたも何を騒いでるのよ。私ビックリしちゃったじゃない」
「だってハルカさん……オジサンが裸で、おっぱい揉むのよ……おかしいでしょう!」
 そう言われて、キョトンとした顔でハルカはオッサンの裸体を見つめる。オジサンの足元から、股間のイチモツに一瞬……まあ立派と目を奪われてる。そうして年の割にはガタイが良くて引き締まった上半身に、『清掃』の札にクセのある笑顔に、坊主みたいに禿げ上がった頭に、どこを見てもハルカにとってはオジサンがおかしいところなど見当たらない。
「どこがオカシイのよ。温泉で裸は当たり前だし、オジサンは清掃係だから、あんたの身体を磨いただけでしょ」
「そうでございますよ。オカシイって言っているのはマユ様だけでございます」
 二人して声を揃えてそう言われると、マユも自分のほうがおかしかったのかなと自信がなくなる。オジサンが女湯にいて裸なのがオカシイ、胸を揉まれたのがオカシイ、どこかに残ったマユの常識が空気の抜けた風船のように、ドンドン小さく萎んで行く。
 桃色の湯気の温泉郷は、現実から隔離された夢のような別世界。ここでは、新しい常識のほうが幅をきかせているようなのだった。ついて行けずに、ボケッとしているマユの目を覚ますように「さあ、あんたもボケボケしてないで早く身体を洗いなさいよ」とハルカは促す。
「何でしたら、ワタクシが洗って進ぜましょうか」
 そういって、ニコニコ笑顔でオジサンが手を伸ばしてくるから、ようやくマユは「結構です!」と湯船から飛び出して洗い場に向かった。ハルカは悠々と、マユは周りの様子をキョロキョロ窺いながら身体を洗っていると、清掃のオジサンがまたやってきた。
「お嬢様方、申し訳ありませんが股間を含めて身体中の体毛を全部剃っていただけますでしょうか」
「ハイハイ、分かりました」
 ハルカは言われたとおりに、ソープを泡立てて股間の毛を剃り始める。
「あの、なんでそんなことを……」
 オジサンがマユの股間をのぞき込んでいるのに気がついて、手で隠しながら聞く。
「当泉の衛生上のルールでして、誠に申し訳ございませんが、お客様にはご協力をお願いしております。」
 マユは、そんなものなのかと従うしかなかった。ハルカは隣でさっさと股間の毛を剃りあげて、身体を洗い終えてしまいそうだし、ここでまた抵抗してたら何時まで経ってもオジサンが立ち去ってくれそうにない。
 オジサンは、立ち去るときにハルカに声をかけていった。
「身体を綺麗に洗い終えましたら、美容のための特別マッサージのサービスがございますのでぜひ貴賓室までおいで下さい」
 温泉から立ち上るピンク色の湯気は、マユの身体を包み込んで温めてはくれていたけれど、美容マッサージと聞いてバカみたいに喜ぶハルカの姿に、どこか肌寒いものを感じるマユだった。
 マユの不安は、この直後に最悪のカタチで実現することになる……。

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